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『No.6 #5』 - あさのあつこ [小説]

NO.6(#5)

NO.6(#5)

  • 作者: あさの あつこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/09/12
  • メディア: 単行本


(あらすじ)
さふを救うべく、矯正施設に侵入を果たしたねずみと紫苑。
だが、そこは地獄だった。
「人狩り」で狩られてきた人々が折り重なり、死んでいくなかでねずみと紫苑の過酷な逃走が始まった。
果たしてここから生きて逃げることができるのだろうか?
No.6の住民たちも、そして西ブロックのイヌカシたちも気づきはじめた。
No.6が内側から崩壊はじめている。と


あれ?
気が付いたら、またあさのあつこさんの本ばっかり記事書いてる?
自分的には、森絵都の本ばっかり読んでたはずなのに??ww

今回はすんなりと手に入ったNo.6 #5
お待たされましたw
思えば、1年前・・・・。
ストーリーの行方を心配したNo.6も加速度をつけて方向転換始めています。

えっと・・・・これって、どんな話なんだっけ?
あぁ、そういえば首から出てくる人食い蜂の話だっ!
・・・・間違ってないですよね?

今回は、蜂の「ハ」の字もでてきていません。
作者様?・・・最初の目的忘れていませんか??

さてさて、人狩りにわざと捕らえられて矯正施設に侵入するんですよね。
ねずみと、紫苑。
紫苑、いきなり違う人格になっています。
ストーリー上ではそんなに時間は経っていないはずなのに、まるっきり別人です。
これって、どんな話だっけ?
キャラの性格が違うから、何回も前の話を思い出さないとストーリーに入れないんですよ。

矯正施設は悲惨な場所でした。
つーか、殺すためだけの人狩りなのか?
また、人体実験かなんかに使うから、狩ってくるのかと想像してましたが。
高いとこから落として殺すなり重症を負わすなりして、その上からまた人を落とす。
そうして、だんだんに人の層を積み上げて圧死させる。
意味もなく殺すのは、ナチスのそれですね。
本文中にも引用さてれいますが。
でも・・・何のために??
悲惨な状況描写はあるものの、行われる意味は全く触れられていません。

そして、その悲惨な状況に置かれた紫苑とねずみは・・・。
ひたすら出口を探します。

この巻にきて、「ねずみ」が「紫苑」に怯えている。
というのは、イヌカシですら気が付いている、事実として語られています。

えぇ~~!!そうなのかぁ???

ちょっと待ってよ~。
と、どうしても4巻でその部分に納得がいかなかった読者約1名は、それがあたりまえにふつーに進まれるのに激しく違和感を感じずにはいられませんでしたがね。

#4 でも言いましたが、もう一度。
いや、何度でも言わせていただきましょう。
小説って、ストーリーしかり。キャラクターしかり。
ある程度、全体像をつかんでから書き始めるんだと思うんですよ。
その作品の雰囲気とか、設定とかですかね。
もちろん、途中のエピソードから書き始めるにしても、やっぱり頭の中でおおざっぱなストーリーや着地点はきまってるんだと思います。

シリーズものだと、脱線したり迷走したりw
それはありだと思いますが、今回#5を読み始めて、愕然としましたわな。
キャラかわっとるやろ~~
紫苑とネズミ。
アレ、#4の登場人物と同一かぁ?

紫苑は天然キャラなんですが、めずらしくお気に入りだったんです。
ネズミはストライクゾーンにはいってますね。
そんな二人のちょっと 「うふふ」 なとこも結構好きだったんですけどね・・・orz

この変わりようは、どう贔屓目に見ても、最初から計算して変わったきたと思えないんですよ。
ひどく言うと、
「前に書いてたの忘れちゃった?」

作者には書きたいテーマがあるでしょう。
それはきっと・・・
評論家が言うほどご大そうなもんじゃないんですよ。
こーゆーシーンを書きたかったとか、キャラとキャラのこーゆー絡みが書きたかったとか。
読書感想文に書いたら喜ばれるような、生きるとはっ。友情とはっ。
なんて、重々しく計算して書いてたら伝わるものも伝わらない。たぶんねw
そういう作品が発してくるテーマは読み手が勝手に作り上げるんだと思います。

ただ、最低でもシリーズもので、作者の中で書きたいシーンが加わってきたからって、設定はいじっちゃいけないと思いませんか?
新しく書きたい場面やテーマが生まれたなら書けばいいよ。書けば。
迷走しなよ。
でも。
作者には最初に伏線はった着地点まで読者を導く責任があると思うんですよね。
ま、途中で投げ出しちゃう作家はいくらでもいますけどww

自分の中で、#5からは、お話は続いているけど、別の人の話になっちゃいました。
残念ですが。
どうしても、最初から紫苑をクロに持っていこうと計画して#2や#3を書いていたと思えない。
#4で、書きたいテーマが加わって、作者権限で無理やり曲げられたって感がぬぐえないんですよ・・・(涙)

曲げるなら曲げるで、もっと上手く誘導しろよぉ~~
ってゆーか。
キャラは物語の中で生きてるんだから、殺してくれるなよぉぉぉ。

私の好きだった紫苑はもういません。
返してほしいです・・・。
私の好きだったネズミはちょっと残ってますが、ほどんど意識の下部に押し込められてしましました。
開放してあげてください・・・。


自らの重みで内側から崩壊し始めるNO.6(このテーマは今も生きてます)
そこに立ち向かおうとした少年たち(役者は交代になりました)
壊すものと、再生するもの。(今再生するものは不在です)
NO.6が崩壊するが早いか、物語が瓦解するのが早いか。
微妙な勝負になりそうです。


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remora

紫苑、待って。行ってはだめ。(by P6)
↑てっきり、沙布のココロの叫びと思い込んで読み始めた#5。
それにしても、なんか感じが老けたなぁ・・・沙布。
・・・お母さんでしたか - - ;

記憶の糸をたぐり、脇を固める方々の名前と素性を紡ぎ合わすのに、
結構苦心いたしました。
楊眠?・・・はて・・ダレだったか・・・

(端的に申せば・・・、忘れてしまったンですねっ)

紫苑とネズミが落っこちていったこと、
沙布が紫苑を待ってること、
イヌカシは実はナカナカ可愛いかったりして♪と期待してたこと、
この3点だけは、一応しっかと記憶しておりました。

お話はダークな方向にどんどん転がっていきます。

あの部屋の情景が懐かしい・・・。
目眩がするほどに懐かしい。戻りたい、あの場所に。(by P80)
や・・もう、無理でしょう? - - ;

沙布についても、イヤな予感がひしひしと・・・。
彼女に救いのあらんことを。
や・・もう、無理でしょう? orz

#5の唯一の救いと言えば、

食ったら、美味いかもな。(by P131)

この一言に、
イヌカシのアイを感じたのは私だけでしょうか?・・・。
by remora (2006-09-22 02:43) 

にーに

remoraサマ

やばい、やばいと思ってた#4
やっちゃいましたね、#5

・・・・・・・・・・・・・・・・
#6は・・・・・・
でるんでしょうか?
逃げちゃってもいいよ?あさのせんせー
許す。
by にーに (2007-01-14 15:43) 

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